宣伝や口コミに惑わされない!健康食品・サプリメントの賢い選び方
健康への意識が高まる中で、様々な健康食品やサプリメントがお店の棚やインターネット上に並んでいます。テレビや雑誌、インターネットの広告、あるいは友人・知人からの口コミで「これは良さそうだ」と感じるものもあるかもしれません。しかし、多くの情報に触れる中で、「一体どれを選べば良いのだろう」「本当に効果があるのだろうか」と迷ってしまうことはないでしょうか。
「思考する消費者」では、感情や流行に流されることなく、ご自身で納得のいく選択ができるようになるための情報を提供しています。この考え方は、健康食品やサプリメントを選ぶ際にも非常に重要です。
目的を明確にすることから始めましょう
健康食品やサプリメントを選ぶ第一歩は、「なぜそれを摂りたいのか」という目的を具体的にすることです。「何となく健康に良さそうだから」という漠然とした理由ではなく、「最近疲れやすいから、元気を保ちたい」「野菜不足が気になるので、栄養を補いたい」「骨が弱くなっていると聞いて不安だから、対策を考えたい」といったように、ご自身の身体の状態や生活習慣に合わせて、具体的な目的を考えてみてください。
目的が明確になると、数多くある商品の中から、ご自身のニーズに合ったものを絞り込むことができます。たとえば、「骨の健康」が目的ならカルシウムやビタミンDを、「野菜不足」なら様々なビタミンやミネラルを補給できる商品が候補になるでしょう。
科学的な根拠を確認する重要性
広告や口コミには、商品の魅力的な側面が強調されがちです。しかし、健康食品やサプリメントを選ぶ際には、その効果が科学的な根拠に基づいているかを冷静に見極める視点が不可欠です。
- 「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」を理解する
- 特定保健用食品(トクホ):国の審査を受け、特定の保健の目的が期待できる旨を表示することを許可された食品です。科学的根拠に基づいて効果や安全性が確認されています。
- 機能性表示食品:事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。国の審査は受けていませんが、安全性や機能性の根拠に関する情報は消費者庁のウェブサイトで確認できます。
これらは国の制度に基づいて一定の基準を満たしているため、選ぶ際のひとつの目安になります。一方で、これらの表示がない商品がすべて悪いというわけではありませんが、その場合は特に、後述する「情報源の信頼性」を注意深く確認する必要があります。
- 情報源の信頼性を見極める
- 「個人の体験談」や「芸能人の宣伝」は、あくまでその方個人の感想であり、全ての人に同じ効果があるとは限りません。
- 「誰かの知り合いが飲んで良くなった」といった口コミも同様です。
- 商品のウェブサイトやパンフレットだけでなく、公的な機関(厚生労働省、消費者庁など)の情報や、専門家(医師、管理栄養士など)が執筆した、偏りのない情報を参照するようにしましょう。
- 成分表示を確認し、目的とする成分がどれくらいの量含まれているのかも重要な情報です。極端に少ない量では、期待する効果が得られない可能性もあります。
ご自身の健康状態と照らし合わせる
健康食品やサプリメントは、あくまで食生活を補完するものです。万能薬ではありませんし、中には体質に合わないもの、あるいは持病や服用中の薬との相互作用により、思わぬ健康被害を引き起こす可能性のあるものも存在します。
- 医師や薬剤師への相談
- 持病がある方や、複数の薬を服用している方は、健康食品やサプリメントを摂り始める前に、必ずかかりつけの医師や薬剤師に相談してください。ご自身の健康状態や薬との飲み合わせについて、専門家から具体的なアドバイスを受けることができます。
- 「天然成分だから安心」といった言葉に惑わされず、ご自身の体に合わせた慎重な判断が大切です。
- 過剰摂取に注意する
- 「良いものだからたくさん摂ればもっと効く」と考えるのは危険です。それぞれの成分には適切な摂取量があり、過剰に摂ることでかえって健康を損ねる場合があります。商品の表示されている摂取目安量を守りましょう。
価格と継続性も大切な判断基準です
健康食品やサプリメントは、継続して摂取することで効果が期待できるものがほとんどです。そのため、無理なく続けられる価格帯であるかどうかも、重要な判断基準となります。
- 「高価なものが良いもの」とは限りません。価格と品質、そしてご自身の経済的な負担のバランスを考慮しましょう。
- 定期購入を勧められるケースもありますが、契約内容(解約条件、最低購入回数など)を事前にしっかりと確認し、後でトラブルにならないように注意が必要です。
まとめ:冷静な目で賢く選びましょう
健康食品やサプリメントを選ぶ際には、感情や流行、表面的な情報に流されず、ご自身の目的、科学的根拠、そして現在の健康状態を総合的に判断することが大切です。焦らず、時間をかけて情報収集し、ご自身にとって本当に必要なものを見極める力を養ってください。
もし判断に迷うことがあれば、まずはかかりつけの医師や薬剤師、管理栄養士といった専門家に相談することを強くお勧めいたします。ご自身の健康を守り、より良い選択をするために、一歩立ち止まって考える習慣を身につけていきましょう。